入社0年目の時に社長に言ったこと

なんか、ふと思い出した。
忘れそうなので、メモっておく。


あれは2002年の12月30日だったと思う。
それまで働いていたバイトから暇を出され、仕事を探してた自分は、
今の会社の面接を受けたんだ。


引っ越したばかりでダンボールが積まれた部屋の片隅で、
2m先には社員の人がぱしぱしPCで作業しているような環境の中で、
(1つしかない会議室は荷物で埋まっていたので、普通の打ち合わせ用丸テーブルにて面接)、
当時の社長に、どんなことがしたいですか?というようなことを訊かれた。


そのとき私は、できれば文章を書きたいということを言ったんだ。多分。


そしたら社長は、「何について書きたい?」と訊いてきたので、
私は「何でもいい」と言った。
そうしたら、「特に女の人は書きたいトピックが決まってる人が多いんだけど、珍しいね」って言われたんだ。それは別に、何か偏見とかあるようなわけではなく、本当に珍しがっていて、私は逆にそれを、とても不思議に思った。


だって、私にはべつに、こだわるほどのトピックも知識もない。



強いて言えば、私は「人間」が書きたかった。
人のこだわりや情熱や思いや、苦悩や喜びや知恵や工夫やもがき。
人の心を打つ、人に希望や生きる力を与える、そういうものが描きたかった。


そしてそれは、どんな世界にもあると思った。
だから、トピックはあまり、どうでも良かった。




その後どんな話をしたか、あまり覚えていないのだけれど、
そうしてなんとなく採用のお知らせが来て、
次の週の1月6日から働き始めた。
その前に相談したり、仕事先を紹介してくれようとした人には、
気がついたら仕事が決まっていて(面接は1回しかなかった)、とても申し訳ないことをした。
当時の私は(今でもそうなのだが)謝る術も連絡する術も良く知らず、失礼なことをしたまま今日に至っている。





そうして、手探りでいつの間にか、丸5年が過ぎてしまった。
あの頃は自分がこんなふうになっているとは思ってもみなかったし、
あの頃描いていた理想の自分とは、なんだか程遠いような気もして仕方ない。どんな理想を描いていたかすら、忘れてしまっていたのだから。



んだなもんで、せっかく思い出したから書いてみた次第。
今でも本質的な部分では、あまり変わってない気がする。
だって、私は「IT」とか「コンピュータ」とか「ネット」とかが好き、という以上に、
ここにいる人たちが好きだから。
だからずっと、ここにいるんだと思う。




大好きな人。大好きな場所。それを忘れないでおこう。