国を越える商売人、企業を越える開発者

かつて交通網が今ほど発達していない頃、
国の壁を真っ先に越えたのは商売人だった。
自分たちが持っているものを売り、自分たちが持っていないものを求めるために。


今、同じようなことが、企業内のウェブ開発者で起きているのかなと、開発者コミュニティを見ながら思う。


もちろん企業を問わない勉強会のようなものは多分昔からあったし、Linuxのようなオープンソースの開発プロジェクトもあった。

ただ最近のネット開発者コミュニティを見ていると、もともとオープンにすることを前提としていたわけでもない、自社内で開発した技術を公開してノウハウを共有しているケースが増えているように感じる。

自社だけで持っていても大きく価値が上がらないものを公開すれば、より多くの人からのフィードバックを受けて改善できるし、「その製品を開発した人(たち)」として一定のポジションが築ける。ほかの技術者と仲良くなれるし、思ってもないところから声がかかるし、考えてもなかった視野も開ける。




国を越えた商売人は、そのすべてが成功したわけでも国に戻ってきたわけでもないけれど、確実にその国に豊かさをもたらす原動力になった。


いま企業の壁を越えて動く開発者たちも、
その冒険の見返りを、企業にもたらすんじゃないかな。




なーんてことを、開発者コミュニティを眺めながら、技術者でもない私はひたすら眩しく感じております。
子どもの頃に、兄が友達と遊んでいる輪に入りたくて駄々こねてた気持ちを思い出すなぁ。