ジブリ最新作「コクリコ坂から」、良かったです。

7/16(土)公開の新作「コクリコ坂から」の試写会に行ってきました。
http://kokurikozaka.jp/

いや、良かったです。とっても。

一大スペクタクルが起こるわけでもなく、大感動があるわけでもないのだけれど、それでも見終わった後にすごく「良い映画だなぁ」という印象が残る映画でした。


主人公の海(うみ)は高校生。父親を海で亡くしているけれども、強く前向きに生きている姿が、なんとなく今回の震災で家族を亡くされた方々にかぶってしまい、あんまり本筋と関係ないところで号泣。
話の筋自体は今回の震災よりも前にできているはずなんですが、海に大切なものを奪われ、それでも海とともに生き、海に大切なものを与えられている姿が、震災で押しつぶされてしまった心に、そっと希望を与えてくれるような、そんな気が勝手にしました。


テンポの早いストーリーと音楽が、映画に適度な明るさと軽さを与えていて、
押しつけがましくない、けれど傷ついた心にそっと寄り添って一緒に生きていってくれるような、そんな印象。


なんとなく今の時代は、ささやかで取るに足らないような小さなことをきちんと大切にすることこそが求められている気がしていて、
家族や友人を大切にするとか、きちんと食事を作るとか、家事をするとか、トイレを綺麗にするとか(笑)
そういった今の時代の空気感にとてもマッチした映画だと感じました。


ファンタジーも冒険もない映画なので、どこまで大ヒットするかはわからないけれども、周りの評判を聞いても「ジブリ作品の中でも好きな方!」という声が多く、ずっと愛される映画になるんじゃないかと思います。
手嶌葵さんの主題歌も、碧く広い海のイメージにぴったり。


夏の暑い時期に見てもらいたい、さわやかな映画です。