「新s あらたにす」が教える新聞紙とウェブメディアの違い

(基本的に他人のことをどうこう言うのは好きじゃないんだけど、自分の話にできそうなのでエントリ)


朝日・日経・読売新聞の連合サイト「新s あらたにす」が1月31日に始まった。媒体の読み比べが好きな私としては、三社の一面が簡単に比較できてやったぁ!
・・・と、思ったんだけど、な。一瞬。



うーん、なんか、あんまり、萌えない。
ここを日々見に訪れるか、って訊かれたら、来ないなぁ、って思う。
なんでだろう、と思って考えた。




多分、一番ひっかかるのは、「読んで!」ってオーラが伝わってこないんだよね、記事から。

これは紙面の記事をそのまま持ってくるからなんだと思うんだけど、タイトルやサマリーが素っ気ない。
書いた人が悪い、とかではなくて、そもそもメディアの性質上、新聞紙とウェブメディアはタイトルを付けるマナーが違うんだろうな、と思う。


新聞紙は、毎朝ご家庭に届くもの。だからこそ、しつこくなく、くどすぎず、嫌がられないことが重要。「明日も来るからよろしくね」「毎日飽きないでね」。そんな感じで、読む人のそばにいる。吉野屋の牛丼が「毎日食べても飽きない味を目指した」と聞いたことがありますが、そんな感じかなと。




これに対して、ウェブメディアはクリックされてなんぼ。無数にあるサイトの中で、いかにクリックしてもらうか。「ちょっとこっち見てよ」「1分でいいから」。クリックしてもらえない限り、記事を読んではもらえないのです。読まれない記事は、存在しないのと同じこと。




新聞紙が毎日一緒に暮らす妻なら、ウェブメディアはたまに会って楽しい時間を過ごす恋人。特にページビューが広告収入に直結するメディアの場合は、時間課金のホステスさんのほうが近いかもしれません。



新聞紙に求められるのは刺激よりも落ち着き。ウェブメディアに求められるのは新鮮さや華やかさ、艶やかさ。多少の毒っ気があるくらいのほうがいい、というお客様もいらっしゃるでしょう。






そんなわけで、私は今日も「釣り」タイトルに精を出すわけです。
大漁旗万歳。






まぁ、そもそも「あらたにす」って覚えにくいよねとか、サイトのデザインが平等に区切れ過ぎていてどこを読んだらいいのかわからないよ、とかあるんだけど、それももしかしたら「つっこまびりてぃ」なのかもしれないし。リリースに開始時刻を「7時“すぎ”」と書くのはニコニコ動画時報を研究しつくした結果・・・じゃ、ないか。やっぱり。